愛は惜しみなく与う【番外編】

「母親と仲直りした。リハビリが終わって、東堂を立て直す手伝いもしてたよ。妹が…自分からお前のことも自分がしたことも、全部母親に話した」

「………鈴が、ね。意外だな」


あの女はそんな根性はないと思った。そう言っている。まぁ俺もそう思うよ


でも


「杏が居るから。杏はそんな奴のことも変えられる力を持ってるだろ?妹もそうだけど、お前もじゃん」

「……たしかに」


杏が怪我をする前、杏とサトルが何を話したかは知らない。杏もわざわざ言ってこない。
ただきっと、杏はありのままでぶつかったんだろうなと思うから。


「クリスマスに関東に戻ってきたんだ。東堂の方は、志木さんにしごかれながら妹が何とかやってるみたい。お前との婚約が破棄になって、かなり婚約したいと迫ってくる財閥が多いらしい。でも母親も学んだのか、結婚は30までにしたらいいってことになってるらしい」


変わっていくのはいいことだけど。
もっと早く変われたらよかったのになと思ってしまうな。



「杏はちゃんと学校に通って、バイトも頑張って、前を向いてるよ」
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