愛は惜しみなく与う【番外編】
「俺さ、反省の意思がないって言われるんだ」


「ん?誰に?」


「弁護士にも警察にもみんなにだよ。情状酌量の余地もないってさ。別に情けをかけて欲しいわけじゃないし、同情してほしいからあんな事したんじゃないし。反省して罪の重さが軽くなるなんて理解ができない。どんな理由があれ、どんな生い立ちであれ……罪は罪だから」


まるで他人事のように話すサトルに違和感を覚えた。

正直、誰も殺してないしなんの罪に問えるかは俺には分からない。
杏だって裁いてほしい訳ではない。

ただ



反省して欲しかっただけだと思う


スコーピオンとしては、かなりの犯罪を犯している。その罪は償うべきだ。
ただ今回の、杏と妹の事件では、全てを知った今、俺たちがどうこう言える問題でもない。


「警察官に反省してますなんて言っても意味ないんだ」

「………」


「杏に言えないならお前に言おうと思って」


俺が呼ばれた理由、か

志木さんではなく何故俺なのか分からないけど


サトルの気持ちは俺が受け止めるよ
< 355 / 645 >

この作品をシェア

pagetop