愛は惜しみなく与う【番外編】
「なんだよ!俺が泉に怒られるじゃん」
「女の子と話すんやし、怒ることないやろ」
「見張っておけって言われる!」
「やれやれ。あんたら2人とも面倒臭いな!」
あたしの貴重な春休みの一日を、痴話喧嘩で潰さんといてほしい。
「はい、じゃあ迎えに来てね!」
美波ちゃんはあたしの腕にくっついて、ぐいぐいと違う道に押しやる。
おーおーおー細いのに大きなお胸ですね。当たっております。
と親父臭いことを頭の中で思いながら、朔にごめんとジェスチャーしとく。
だってさ?どうもできひんやん。
美波ちゃんはあたしと二人がいいって騒ぐし。話聞いたらなあかんのやろ?仕方がない。
「どこで話す?」
「杏さんは、好きな食べ物ありますか?」
「えー?うーん。肉かな」
「え?カフェですよー?」
「……好きなところにしぃ」
どこでもええよ。とりあえず、朔は不貞腐れて帰った。家に帰ったら絶対面倒やろうな…どうしようかな
「杏さん?何にしますか?」
「ん?ここどこ?」
「パンケーキ屋さんですよ」
「ぱ、パンケーキ!?!?」