愛は惜しみなく与う【番外編】
「単刀直入に言っていいですか?」

「え?うん。どうぞ」


ゴホンと咳払いをして美波ちゃんは椅子に座り直す。

なんか、緊張する




「あたし、朔くんのこと好きなんです!!」



………


「え、知ってる」



「えぇ!?」



ん?そんなに驚くこと?

美波ちゃんの大きな声で店内のお客さんがこっちを振り返る。ちょっと、あたしが言うのもなんやけど、声でかいで?


「あたしまだ、朔くんのこと好きだって杏さん以外に言ってないのに!」

「え、だからあたし聞いたし知ってるやん?」

「今言ったの!」

「え?あの…前コンビニの近くで夜中出会った時に…ゆうてへんかった?」


なんか、連絡返してくれへんって泣いてなかった?あれ?


「ええ?あの時のことまだ誤解してるの?」


はて?誤解?
 
何のことか聞こうと思ったら目の前にパンケーキが現れる。



「うわーーーーー!」



想像を超える厚みに、目で見てわかるふわふわ感

そしてほんのり香る甘い香り


これは!これは!!!



「マドリカでもパンケーキ売りたい」



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