愛は惜しみなく与う【番外編】
心配してくれるかと思えば


朔くんは、杏、帰ろうぜ、なんて言ってる。
まじでなんなの?こんな男に執着してたの?あたし!

不甲斐なくなって泣く声を大きくすれば



まさかの心配してくれたのは女の人だった


おいで、と腕を引かれあたしは朔くんから離される



朔くんに、あんたらが何処でどんな恋愛してきたか興味もないけど!!と怒って前置きをしていった。



「一回は気持ちがお互いあったんやろ?好き同士やったんやろ?それなら最後の最後までその気持ちの面倒みろ。こんな風に納得できずに押しかけてこさすな。これはあんたが悪い」



そう朔くんの胸ぐらを掴み上げた


ほえ?

庇ってもらったの?あたしが?


頭がついていかないんだけど


そのままお互いに説教されて、女の人はちゃんと2人で話してから帰ってこいと怒り、その場を去っていった。



え?



「何あの人。好きなんだけど」



正直嘘泣きもあった。泣いて困らせてやろうと思ってたから。なのに涙は引っ込んだ


そして取り残されたあたしと朔くん
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