愛は惜しみなく与う【番外編】

「ちゃんと自分の気持ちに気づいたなら、それでええやん。朔が今更とか言ったら、黙れゆうたったらええねん。まぁ朔はそんなこと言うような男ちゃうけど。

好きって気持ちは、そんなに軽い気持ちじゃないからな。

美波ちゃんの好きって気持ちを、あたしなんかがって言って、無下にせんといたって。


それに、あたしならこんな可愛い子に好きや言われたら意識してまうけどな」


ニコリと笑った杏さんは
あまりにもかっこよくて綺麗で少しの間、見惚れてしまっていた。

綺麗でそして優しい言葉を使ってくれる。



好きって気持ちは、そんなに軽い気持ちじゃない


杏さんのその言葉は胸に刺さった。
モテる理由がわかったよ。


こんな、友達でも知り合いでもないあたしにも、杏さんはちゃんと向き合ってくれるんだ。


「あたしは泉のことが好きやって気づくのに時間がかかった。それに、自分はこうやから、とか、環境が…過去が…とかで色々悩んでたけど、あたし達は今を生きてるから。

昔のことに引きずられて、今を楽しめへんのはアホらしいからな。頑張れへんかったり、自信なかったり、自分のことが嫌になってしまってるなら、環境を変え」