愛は惜しみなく与う【番外編】
でも喧嘩のキレは、あの日を境に、もっとキレキレになったと思う。

泉はサトルのおかげで強くなったというけど、おかげって言葉はちゃうよな?


「杏さん!!俺のパンチ見ました?」

「うん、まぁまぁやったかな?もっとギリギリまで相手の動き見てからカウンターした方がええと思うけど」

「うおぉぉぉ!姐さん!」

「だからその姐さんってやめて?」


新入生はとても元気
ええことやな

ガラリと雰囲気が変わる


そして来年には、あたし達はいないから


この中から次の総長と幹部を決めなあかん。


「杏、学校行くか?」


入学式。それに出ずに抗争
そして学校へ


「うん。いこかな?てゆうか、クラス替えあるなら泉と離れる可能性あるん?」

「クラス離れても、別にそのクラスで授業受けなきゃいけないって訳でもないだろ」


だからどのクラスでも実質同じクラスだと、訳の分からない理論で泉が語る。


そのクラスで受けるんもんやで?授業というのは。なんのためのクラスや

でもそんな心配もよそに

とくにこの学校は進路でクラスが決まることもなく


「いや、メンバー同じやん」


2年生の時と変わらない顔ぶれになっていた。

唯一違うと言えば


「紗羅ちゃんは、もう辞めたんかな?」
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