愛は惜しみなく与う【番外編】
「そうかな?まぁ、杏ちゃんのファンクラブもできてるから、ほんと気をつけるんだよ」
ふぁ、ふぁんくらぶ?あたしの?
「ファンクラブとか久しぶりや」
関西ではそれはそれは、ちやほやされてきた。こっちでは、女の子達にブスやら言われる日々。
「女の子達に睨まれるのも終わりかな」
「いや、ファンクラブって男のね?」
「……男の?女の子のじゃなく?」
「うん。男の子が、杏ちゃんに憧れてる感じかな」
……まじか。
女の子のファンクラブやと思った。
関西であたし女の子にモテモテやったんやで?ファンクラブも女の子達ばっかりで…
ちょっと意外
「ほら、杏ちゃん、泉がずっとこっち見てるよ?屋上行っておいで」
「うん、わかった」
確かに視線を感じていたから、泉の側に行く。
「屋上いこ?」
「あぁ」
そんな笑顔で頷かないでくれるかな?
ドキッとさせられるから。
でも屋上に行くにはこの教室を出なきゃいけない。
廊下には女の子達が敷き詰まっている。もうすごい人数。
慧でさえ、苦笑いで手を振っている。これは怖いわ