愛は惜しみなく与う【番外編】
「退け」
邪魔だと言わんばかりの声で泉は気にせず廊下へ出る。ひぇぇすごいな
どけ!ってゆう言葉やのに、女の子達はきゃーーと言う。
なんや?聞こえてないん?どけって言われてんねんで?きゃーじゃなくない?
退けと言っても退かない女の子達に泉は戸惑ったのか後ろを振り返りあたしの顔を見た。
いや、ここで助けを求められても…
ヒソヒソとあたしの悪口が…
あたしはええねん。何を言われても気にならへんし、むしろみんな同じ顔に見えるギャル達ばかりで、何とも思わんのやけど…
泉がさ?怒るから
「なんか言ったやつ出てこいよ」
はぁ
「大丈夫。ご飯食べるんやろ?行くで」
そう声をかければわかったと素直に頷く泉。猛獣使いやな、あたし
『彼女きどりかしら』
いや、きどってない。彼女やねん
『ブスのくせに』
多分ブスでは…ないよ?
『どうせ泉くんの気まぐれでしょ?』
泉はそんな男じゃないよ
『幹部のみんなと関係あるらしいよ』
どんな噂やねん
『ビッチじゃん』
あたし清純派ヤンキーやぞ
『泉くん騙されてるんだよ』
ありのままやねんけどな?