愛は惜しみなく与う【番外編】
「おお、凄いな。新にも探させてたけど見つからなかったのに」

「あ、そうなん?」

「うん。むしろ朔を引き取ろうと思った時に、あのクソ親父からサイン貰えなかったから、もしかして母親探したほうが早いんじゃね?と思って、新に探させてたんだよ」


それでも情報が殆どなかったと。


「志木さんはどんな手を使ってるんだ?」


苦笑いしている泉
あたしもそこは分からへんねんけど…

GPSつけられてないのに、いつもあたしの動向がバレてたから、ほんまに恐ろしい。


てことは?



「泉は賛成なん?」

「勿論。朔はずっと母親のこと気にしてたから」


そうか

そうなんやな



よかった


ただ、あんまりいい状況かは分からんけど。



「あたし、先に会っていいかな?」

「ん?うーん?いいけど。何話すの?」

「いや、その…」


なんとも言えないのよな。
志木に探してもらってて、ようやく見つかった朔のお母さんは…


まだ入退院を繰り返しているらしい。

朔から聞いたあの時の事が原因かはわからんけど…
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