愛は惜しみなく与う【番外編】
「朔つれてくるし、部屋で待っててください。そして可能なら……」


朔の、お母さんとの記憶は


幼い頃で止まってるから



「朔のこと、抱きしめてやって。名前もちゃんと呼んであげて。10年分抱きしめて今までよく頑張ったって言ってあげて。

貴方と離れ離れになってから、朔は……死にたくなるような環境にいた。暴力の限度を超えて、人として扱ってもらえてなかった。悔しくて悔しくて、ほんまにしんどかったと思う。

でも、貴方との写真をみて、頑張ろうって。強くなってお母さんを守ろうって…思ってたって言ってた。朔は……貴方を忘れた日は無いよ。

でも、朔がどれだけ辛い目にあって、死ぬ思いをして、どれだけ頑張って生きて来たか……


全部ちゃんと受け止めて。
いいところばっかじゃない。会って感動で終わらせんといて下さい。あの子の全部を聞いてあげて。目を背けずに朔を見て。

朔の過去も全て聞いて受け止めることは、きっと、母親からしたら、しんどいことかもしれへんけど……


朔の母親やと胸を張って言いたいなら、もうに逃げんといて。朔は……もう何からも逃げてないから」
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