愛は惜しみなく与う【番外編】
あたしが言って伝わるかは分からん

あたしは、会わせてあげたいだけじゃない。
久しぶり。あの時はごめんねだけで終わるわけがないから。

それで終わらせるくらいなら、朔を会わせる事はしない。


朔はそんな簡単に生きて来てないから


汚くて痛くてドロドロな部分。それを乗り越えての朔やから。


「でも安心して。昔はすごく辛くて死にたいときもあったやろうけど、今は違うから。

朔は今、あたしたちの中で1番明るくて、アホでお調子者で……よく笑う子やから」


アホはお母さんの前で言わんほうがよかったかな?ついつい言ってしまったわ。



「ほなまぁ、あたしとの約束忘れんといてください」


生意気言ってすんませんと頭を下げておく。随分上から話してしまったから。

朔のことを思うと止まらなくてさ?



携帯に手を伸ばし電話をかける


「あー泉?中入れる?」

"あぁ。おい朔!どこ行くんだよ"

"ここどこだよ!てめぇ、ネクタイ1番上までキュって上げやがって!なんだよ!"


……ふふ
そういうことね
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