愛は惜しみなく与う【番外編】
「頭のおかしい2人ってお母さんに紹介したから、会ってよ」
「どこがおかしいねん!」
アホ!そう言って俺の頭を叩く杏
おかしいよ、ほんと。おかしいくらい、俺のこと考えてくれてる。
まじでなんなの?家族なの?
あったけぇ
「離婚して再婚するんだってさ」
「あ、まだ離婚してなかったん?なにしてんねん。はよせな!」
杏はいい弁護士紹介したろか?金わりとぶんどれるで!と言っている。
貰えるもんは貰うで!と何やらやる気を出している。
本当頼もしいよ
色々詳しい人がいて、俺のことわかってくれて、俺ってほんと、最高にイカした人生を歩めてるよ
「貴方が…泉くんね」
部屋について、お母さんは泉をみて微笑んだ
泉は少し照れ臭そうに挨拶をしている。だって兄ちゃんだと紹介しといたから。
「朔を救ってくれてありがとう」
「いや、俺は…ただなんか寒そうにしてたから…」
「なに!?俺寒そうだったって理由だけで拾われたの?」
「……おおかたそんな感じ?」
半笑いの泉にそう言われた。ほんと、素直じゃないな!
「で、あたしが泉を拾ってん!」
「でも俺が杏を拾い直したぞ?」