愛は惜しみなく与う【番外編】

身体が10センチは跳ねた

桜さんが変なこと言ってそれにツッコミいれたら、後ろから泉の声がした。


「あ、2人とも早いね」


「桜さん！やっほー！杏ちゃんをまた虐めてたでしょ」


だって杏ちゃん反応が面白いんだもん！ついついね。そう笑われる。
本当最近、みんなあたしのことイジりすぎちゃう？


「おい、杏をいじめんなよ」


泉はきっと状況分かってない。けどとりあえず、座ってる桜さんの顔を覗き込んでそう言ってる。


「ちょっと！俺の彼女にガン飛ばさないでよ！」

「とばしてねーよ。でも杏のこといじめたって言うから…」


あたしが言うのもなんやけど、泉ってなんか馬鹿正直よな。真っ直ぐや、ほんまに


「やだ！泉くんだって杏ちゃんを、いじめたくなるでしょ？」

「ならねーよ」

「絶対嘘！なる！」

「ならねーって言ってんだろ？」


桜さんは結構度胸があることがわかった。
さすが年上のお姉さん。泉にも特に怯むこともなく普通に話すからおもしろい。


「泉くんだって絶対杏ちゃんをいじめてるよ？」

「おい、慧、なんだこいつ。俺はいじめてないって言ってないだろ！」