愛は惜しみなく与う【番外編】
「寝なよ」

「分かってる」

「明日旅行だから、わざわざ桜さんの家泊まらずに、こっち来たんだよ?」

「いや、来てくれって言ってねぇ」


明日は旅行
何やら杏が色々調べてくれて、さっきまで一生懸命プレゼンしてくれた。

してくれたけど、内容は頭に入ってこなかった。

いや、何だろう
最近杏が…

色っぽい顔をするようになった


俺の勘違いかもしれないけど、ほんと困る。道端でいちゃついてるカップルは、嫌いだ。場所弁えろよって思ってた。

なのにいざ自分が付き合えば


そうなってる


「どういうタイミングでキスすんの?」

「えー??ほんと泉からのそーゆう質問、ちょっと怖いんだけど」


なになに!と笑ってる慧
俺は…普通が分からないんだよ。
こんな気持ちになるのは…普通なのか?


「はぁ。可愛いと思ったらキスする。そんなもんでしょ」


……そんなことしたら


「常にしてなきゃいけねーじゃん」

「泉はバカだね」

「…っるせ」


可愛いな
触れたいな
そう思った時、思考よりも先に身体が動いている。俺って自制心ないの?
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