愛は惜しみなく与う【番外編】
「長旅ご苦労様です。お荷物お預かりしますね」

綺麗な服を着た女性が出てくる。
荷物を預かってもらい中に入る。

うん、ほんと、こんなところ泊まったことないよ。


「お名前よろしいですか?」

「峰岸杏です!」

「峰岸様。お待ちしておりました。お部屋の方案内させていただきます」


ちゃんとした旅館
緊張するんだけど?

杏はいつも通り楽しそうにキョロキョロ周りを見て、案内してくれる人と話している。


コミュ力高いよな


「お誕生日旅行ですもんね」

「そーなんです!泉の誕生日やけど、あたしもかなり楽しんでる」

「特別な日に特別な人と過ごす時間は、素晴らしいですね」

「何回か雑誌で見て、きてみたいと思ってたんです!」


杏は目をキラキラさせながら話している。

お誕生日旅行でって…
知ってるのか?この人


「お部屋のご案内はどうしましょう」

「また分からんことあったらフロント電話します!」

「かしこまりました」


ぼーっと杏が話しているのを眺めている。一言も喋ってないけど、部屋にたどり着いた。
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