愛は惜しみなく与う【番外編】
「わ!!!!すごい!!!」
……!
杏が開けた扉の向こう
想像したよりも大きな部屋
小上がりになった畳コーナーはローベッドが置いてある。
そして…ベッドは1つ
馬鹿でかいベッドだけど!
食事を取るスペースも広く
そして俺の理性が崩れ出す音がする
「……風呂ついてんの?」
部屋の綺麗さと広さに驚いてたけど、その奥に見えるあれは……
「露天風呂?」
なんで杏も疑問系なの?
部屋の一番奥の面の壁は全て大きな窓になっていて、向こう側が見える。
そこには露天風呂
露天風呂付き客室ってやつ
杏はポカーンと口を開いて見ている
杏も知らなかったのか?予約したの…杏だろ?
せめて壁なら…いいけど、ガラス張りだから…うん。きつい
「誕生日のお祝いやから、ええ感じの部屋でって電話してん」
「………」
杏らしい、雑な予約の仕方
だからあの女の人は、俺が誕生日だって、知ってたのか。
確かにいい部屋だけど…
俺ら熟年夫婦じゃないんだよな…
「えっと…とりあえず入る?」