愛は惜しみなく与う【番外編】
「いや、坊主がさ?あんたの髪の毛みて興奮しとるねん!金髪なんて周りにおらんからな」

「お前、ヤンキーか?」

「……かもな」


息子であろう小さい男の子は、父親の腕から飛び出て俺の目の前にいる

なんだ


「俺、かっこいいヤンキーになるねん!」


何の宣言だか


「誰からもかっこいい言われるヤンキーになるのが夢や!絶対お前ヤンキーやろ」


誰かを彷彿とさせる話し方
そしてグイグイくる感じ…


「ヤンキーなんて、誰から見てもかっこいいわけないだろ」

「なんでや!かっこいいやん!喧嘩もして爆イケやん!」

ば、ばくいけ?ってなんだ

ヤンキーに憧れるか
変なの


「金髪にいちゃんだって!かっこいいやん!」

「それは俺の顔がかっこいいだけな」

「オトン!!なんや!こいつ!自分の顔カッコいいゆうとる!」


うるさい子供だな。元気だ。杏みてぇ


「ガハハハ。確かにそうやな。かっこいい顔や!せやしカッコよく見えるんかもな」

「オトン!顔はどーにもならへん!俺もかっこよくなりたい!」

「ならかっこいいそこのにいちゃんに、秘訣でも聞いてみろ」
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