愛は惜しみなく与う【番外編】
「ぷっはーーー!さっぱりー!」


タオルを首にかけてルンルンで杏は部屋に入ってきた。
どうして杏は髪を完全に乾かさないんだろうか。


「半乾きじゃん」

「泉に乾かしてもらおうと思って」

「……おいで」


やれやれ。困ったお姫様だな
ちょこんと俺が座ってた場所の隣に来て頭を差し出す。


「ドライヤー洗面所」

「えーーーもう座ったもん」

「待ってて」

濡れた杏の頭に手を置いて洗面所にいく。ドライヤードライヤー…

あった


ドライヤーを持っていくと、同じ場所に大人しく座ってる杏


後ろに回り髪を乾かす


髪の毛伸びてきたな…

杏の髪は柔らかい
前そういうと、将来禿げそうで嫌やと言ってた。細いと禿げそうだけど、柔らかいのは大丈夫じゃない?

順調に髪は乾く

杏は何やら鼻歌を歌ってる


髪も乾いた

目の前には杏の頭

自分と全く同じ色の髪

ふわふわしてる


「ん?なに?」

「杏ってうなじ綺麗だよな」

「はぁ!?!?」

パッと両手で首の後ろを隠そうとするが、その両手を掴む


「なに!」

「いや、なんか反抗されるんだなって思ったから…なんとなく?」

「何となくであたしの両手の自由奪うな!」
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