愛は惜しみなく与う【番外編】
日頃はもっとアンテナバッチバチよ!と誇らしげに言うが、それはどうでもいい。

俺だから気を抜いてるだけって…

はぁ


「んぎゃ」
「いって!」

杏の指を引っ張る
座ってる俺の前に立つ杏は、そのままバランスを崩して俺の頭に…


「ここ最近もらった攻撃の中で一番痛い」


杏の頭は石頭か?
もはや鉛か?

杏に頭突きされた。いや、俺が引っ張ったから悪いんだけどさ。

想像より痛い


「ごめんやん!急に引っ張るから」


大丈夫?そう言って膝をついて俺の頭をさする杏

ほんと、一番痛い

爆発したかと思った


「あたし石頭で有名やねん。頭突きで5人、気絶させたことある」

「……そりゃ相手が不憫だ」

まだ痛い
すごいな、杏の頭


「杏は?痛くないの?」


俺でかなり痛いから、本人も多少痛いと思うけど…


「あたしは大丈夫やで!慣れてるし」

「慣れるな」


起きたらタンコブになってそうだな


「休憩する?」

「せっかくだから、旅館の周り探索したいだろ?行くぞ」


そう言うと、ぱーーーっと笑顔が咲く
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