愛は惜しみなく与う【番外編】
好きなだけ連れ回してくれ
どこへでも行こう

杏は外湯があるからとニッコニコの笑顔で俺に浴衣を渡して着替えろと言う。

なるほど

外にも色々あるんだな

温泉街にあるこの場所は、来る途中に色々面白そうな場所を見かけた。


その場でパッパと浴衣を羽織るが…これでいいのか?
ちゃんとした浴衣でこれが正解なのかわからない。

杏は可愛い色浴衣が借りれるらしいからと言い廊下に飛び出した。


杏の浴衣か…


初めてじゃん


髪の毛アップにしてくれないかな…


「みてみてーーー!可愛い柄のあったー!」


浴衣を抱えて楽しそうに部屋に戻ってくる杏

俺は浴衣の帯がよくわからず、前は全開で立ち尽くしていた。


「……変態みたい」

「うるさい。わからないんだよ」


裾も開いてくるしよく分からない。短パンに浴衣を羽織っただけのダサい格好をしている。

杏は笑って、してあげると近づいてきた。


「なんで浴衣の下に短パン?」

「スースーして落ち着かなさそう」

「変な理由」


ほら、ここ持って。
杏は帯の端っこを上の方に引っ張り、俺に肩あたりで持っておけという。
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