愛は惜しみなく与う【番外編】
やっぱり杏は、俺を煽る天才だ


これくらいならできると髪をアップにして、顔まわりの髪をくるりと巻いている。

浴衣もよく似合う

可愛い


「キスしていい?」

「ふふ。ええよ?」


やった。ほっそい腰を引き寄せれば、杏は自然と俺の腰に手を回した。

これが幸せなんだよな

抱きしめたら抱きしめ返してくれる

キスをしたら応えてくれる


この当たり前じゃないことを、当たり前にできるこの空気が幸せ。


照れた杏は手荷物用の鞄に、ハンカチなどを詰め替えるといい、畳に座り用意をしている。

いつもは、割と豪快に座る杏だけど、今は浴衣を着ているからか、お上品に横座りして、何やらゴソゴソしている。


可愛い


俺が今日かわいいって思った回数カウントすると、気持ち悪い回数になると思う。


泉と旅行やしハンカチもってきてん!と笑う杏


遠足みたいにハンカチとティッシュ持ったかと、みんなに聞かれていたからな。


外に出てフラフラ歩くとすぐに温泉街にたどり着いた。すごいな、なんか男だけでこういう場所は来ないから…

いい経験だ
< 457 / 645 >

この作品をシェア

pagetop