愛は惜しみなく与う【番外編】
歯止め

「峰岸様。お夕食の準備をしてもよろしいでしょうか」


ノックの音で目が覚める。
まぁ安定だよな。
風呂で足湯をしたあと、テラスに置いてあったソファに座って、2人で眠った。

よく眠るよ、ほんと


「ふぁい!」


杏はびっくりして飛び起きて、変な返事をしながら部屋の扉まで猛ダッシュ。

俺、寝起きは…そんなすぐ動けない

少しボーってしてから動こう


「泉!ご飯やで!」

「うん」

「寝ぼけてんの!」

「いやー?でも眠い」

「今寝たら夜寝れへんくなるで!」

「……夜、寝るの?」

「ん?」

「なんでもない。すぐ行くよ」


分かってんのか分かってないんだか。ぐーっと背伸びをすると、中でご飯の準備が始まっていた。

楽しみだな


「浴衣の着方がお上手ですね」

「ははは。ちょっと昔習ってて」

「まぁ、そうなんですね。せっかくなんでお写真撮りましょうか」

「えー!嬉しい!」


ほら、泉!はよこい!と杏の目が訴えかけている。
のそのそと立ち上がり部屋に入ると、豪華な刺身の舟盛りが……
< 467 / 645 >

この作品をシェア

pagetop