愛は惜しみなく与う【番外編】
歯止め
「峰岸様。お夕食の準備をしてもよろしいでしょうか」
ノックの音で目が覚める。
まぁ安定だよな。
風呂で足湯をしたあと、テラスに置いてあったソファに座って、2人で眠った。
よく眠るよ、ほんと
「ふぁい!」
杏はびっくりして飛び起きて、変な返事をしながら部屋の扉まで猛ダッシュ。
俺、寝起きは…そんなすぐ動けない
少しボーってしてから動こう
「泉!ご飯やで!」
「うん」
「寝ぼけてんの!」
「いやー?でも眠い」
「今寝たら夜寝れへんくなるで!」
「……夜、寝るの?」
「ん?」
「なんでもない。すぐ行くよ」
分かってんのか分かってないんだか。ぐーっと背伸びをすると、中でご飯の準備が始まっていた。
楽しみだな
「浴衣の着方がお上手ですね」
「ははは。ちょっと昔習ってて」
「まぁ、そうなんですね。せっかくなんでお写真撮りましょうか」
「えー!嬉しい!」
ほら、泉!はよこい!と杏の目が訴えかけている。
のそのそと立ち上がり部屋に入ると、豪華な刺身の舟盛りが……