愛は惜しみなく与う【番外編】
「触り合いっこは、やばい。急に何言いだすの」

「あれ?違うの?」

「分かって言ってんの?」


どういうこと?そのままの意味やろ?


「予習した!」

「……何を」


ベッドの軋む音
あたしの肩をポンと押して、再び泉を下から眺める体勢に。


「慧とかに、聞いてないだろうな」

「え?どういうこと?」

「予習ってなに」


ちょっと怒っておられますか?拗ねてる?なんで!!!


「予習大事やろ!」

「だから何を予習したの。何をどう予習したら触り合いっこになるの?」


……??

さすがに皐月ちゃんや桜さんに事細かく聞けてない。すること一つ一つを教えてもらった訳ではないから、調べるしかないやん?

「そら、色々調べたんや!ちょっと不安やったし…な?予習…したけど、あかんかったん?」


「可愛すぎてダメだ」

「……?」

「俺、余裕そうに見える?」

「うん。見える!」

そう言うと泉はあたしの手を取って自分の胸に押し当てた。


……はや

あたしと同じくらいドキドキしてる


「ぶっちゃけ余裕ない。杏は不安なのに俺がテンパってたら余計不安になるだろ?」
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