愛は惜しみなく与う【番外編】
笑えるほど力が入らへんから、押し返す力もなく、ただ泉の肩にしがみつくしかできひん。

知らん



あたしはこの感覚初めてや


よく分からなかった謎の異物感が次第に快感に変わっているのが自分でも分かった。

そしてそれを受け入れたとき、何かが襲いかかってくることになるのも、本能で分かってた。


嫌とかじゃなく、身体が受け入れれる気がせんのや。
感じたことのない快感から逃れようとした。


「怖い?」


そう聞かれ、うんうんと必死に頷く

少し身体を浮かせてあたしの顔を泉は見た。


「大丈夫。俺の目を見てて」


言われるがまま
ギュッと閉じていた目を開くと目の前に泉の顔が。素直に泉の目を見た。


優しい顔をしている

その目に一瞬気が緩んだその時に


ずっと逃れようとしていた快感に捕まった


身体が一気に緊張し、頭が真っ白になる。多分一瞬意識とんだ。それくらいの衝撃

何かから解放される


「なに、これ…はぁ、はぁ」

「無理させたな。大丈夫か?」
 

どこも痛くない?そうこまめに心配してくれるが…

痛さなんて無い
むしろ…もっと…

あの感覚を気持ちいいと言うのなら、あたしは気持ちよかった。
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