愛は惜しみなく与う【番外編】
「そういえば、ハザマさんと話した。杏と3人で。杏はもう気にしてないって言うし、俺ももういいから……親父が死ぬまで、ハザマさんは側に置いてやってよ」


ハザマね…
スコーピオンに巻き込まれていることも知らなかった。組長として下の者を守らなきゃいけなかったのにな。


「勿論だ。ハザマほど、やれば出来るやつは居ないからな。動けるようになったら会うよ」


組が

落ち着いている


崩れる寸前だったのに。



まさか、子供に助けられるとはな



「もう完璧に退院?」

「月に一回、東堂の方へ寄せてもらって定期検査は受ける」

「そうか。杏もちょくちょく帰ってるから、タイミング合えば俺も行く」


嬢ちゃんと一緒にいたいだけだろうが、ついでに心配してくれている。まぁ、充分だよ。

東堂の家にはお世話になった。本当に。


それもこれも、嬢ちゃんのおかげ。



「お前、嬢ちゃんと付き合ったのか?」



嬢ちゃんがこっちに戻ってきたのはクリスマスだ。俺は向こうでリハビリしている嬢ちゃんとよく話していた。

戻りたいけど、やることが残ってるからと、驚異的なスピードでリハビリを終えて、その、やるべきことに取り掛かっていた。
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