愛は惜しみなく与う【番外編】
「それなに?」

「……大事なもの」


泉はそう言って小さな箱から何かを取り出す。あぁ、わかった。みたことある!

なるほどな


「俺は女じゃないし、分かりはしないんだけど、さっきの比じゃないと思う」

「うん?」

「加減も…できるか分からない」

「うん」

「負担にもなるだろうし、もしかしたら痛いかも」

「うん」

「それでもいい?後悔しない?」


どこまでもあたしの気持ちと身体のことを考えてくれているんやな。
その辺あんまり気にしてなかったし、むしろこれだけ喧嘩してきたから体力的には大丈夫やと思ってた。

けどまたちょっと、違う体力が必要やったけど……

それでも



「泉となら、後悔なんて一つもないよ」



あたしはこんなんやし、何も分かってなさそうやし、実際つい最近まで知識もなく、キスで限界やった。

けどこれだけはずっと思ってた



「初めては泉とがいいし、泉となら後悔せんし……泉とやから、触れたい思うし、触ってほしいって思うし…」


あたしにも、泉のことを考えさせて


「あたしは泉の全てを受け入れれる女の子やで!」


暗闇で泉の瞳が揺れた
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