愛は惜しみなく与う【番外編】
お兄さんは泉に蹴り飛ばされて倉庫の地面に転がった。いいの?この扱いで。

お兄さんはスタッと立ち上がり今度はあたしの前に…


「君が杏ちゃんだね!!僕は将来の君の義兄さんだよ!」

「うわぁ」


両手を握られてお兄さんの顔が鼻が当たるくらいまで近づいてくる。何や、この変な人は!


「杏から離れろ」


言うまでもなく2回目の蹴り飛ばし

ほんまに泉のお兄ちゃん?


「いやぁ。可愛い彼女だな。でかしたぞ」

「で、何」


泉はあたしを引っ張って自分の後ろに隠すようにしている。
あたしもちょっと対応に困るから泉の後ろに隠れたままでいいや。


「いやぁ、母さんが日本に仕事があるって言ったから久しぶりに帰国しただよ。お前の誕生日も近かったしな」

「お袋も帰ってきてるの?」

「うん、今ごろ親父と仲良くしてんじゃない?」


なぬーーー!お母様も!?てゆうか、ぱぱちんと仲直りできたんかな!
泉の家族に2人も会えるなんて!


「母さんにお前に彼女ができたって言ったら、今晩家に連れてこいって言ってたぞ?」


「……いかねぇ。旅行帰りで疲れてるから」


「え?なに?ヤりすぎたってこ…ぎゃぁーーやめてーー」
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