愛は惜しみなく与う【番外編】
「いや、違う。多分…着せ替え人形…」


そう呟いて泉は気分が悪くなってきたと言う。えええ!どうしよ


「服も大丈夫。杏はいつも通りの杏で居て」


少し寝させて
そう言って布団にだいぶする泉

疲れてる…わな、そりゃ。旅行帰りやし。まだご飯には早いから少しくらいならええか。


あたしがベッドに腰をかけると、すりすりと寄ってきて、膝の上に泉が頭を乗せた。

か、かわいい…


「杏の匂いがする」

「どんな匂いや」

「落ち着くし興奮する」


……落ち着くと興奮は対極にあるやろ。

泉の髪の毛を触っているとあたしも眠くなってくる。ちゃんと寝れてないのか疲労かわからんけど。身体がだるい。


「杏も寝る?」

「うーん。泉触ってたら眠くなりそう」

「じゃあ一緒に寝よ」


ええんか?彼氏の実家で昼寝して。昼寝ってかもう夜ご飯までの仮眠や。
まぁええか


「1時間だけな」

「起こしてね」

「うん。多分お腹空いたらあたし起きるし大丈夫」


腹時計をセット
泉の身体にすっぽり収まる


「息苦しくない?」

「うん。大丈夫」
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