愛は惜しみなく与う【番外編】
そしてお母さまの部屋やろか

可愛い部屋に連れてこられた



「ここは…」

「ここはね、女の子が産まれたらその子の部屋にしようと思ってた場所なの」


……ん?


「あたしね、女の子の子供が欲しかったの。きーちゃんもいーちゃんも大好きなんだけどね。ただでさえむさ苦しい男だらけの組で、どうして子供まで男なのよって思ってたの」


「まぁ…たしかに。むさ苦しい」


でしょー?ほんと気が滅入るのよ!とお母様はため息。わからんでもない。どこみても男だらけで楽なようで楽ではない。


「1人目きーちゃんで、2人目の時に、女の子女の子!って祈ったのにいーちゃんが産まれて……いーちゃんってあたしに似て綺麗な顔してるでしょ?だから、可愛い系の男の子に育てようとしたのよ」


それを聞いて泉を想像したら、笑いが込み上げてくる。
可愛い系…あかん、おもろい


「ね。もう、ご存知の通り、男の中の男!!みたいなのになって行って、ほんと嫌だったの!小さい頃から威圧感あるし、ダーリンと取っ組み合いの喧嘩も殴り合いもするし…。ほんと可愛い計画がすぐ散ったの」


お母様は、本当に困ってたんやろうな。泉がぱぱちんに似ていって。
< 546 / 645 >

この作品をシェア

pagetop