愛は惜しみなく与う【番外編】
「いーちゃんね、あたしのこと好きじゃないの」

「…そうかな?そんな風には思えへんかったけど」

「……昔から、ピアノとか華道とか…おしとやかな習い事を習わせるたびに、ブチギレられてたの」

「それは…うん」


想像つくよな


「可愛い子に育ってほしいってのを押し付けすぎちゃった」

「まぁその計画が成功してたら、今の体格で可愛いは厳しいし、これでよかったんやと思うけど」


可愛いとこあるけど、デカイしな…うん


「もう1人産もうとしたんだけど、子宮の病気になって、産めなくなったの。だからこの部屋は使われずに置いてあるの」


なんて言ったらいいのか分からず黙ってしまった。でもお母様は強かった



「だからーーあーちゃんがお嫁に来てくれて嬉しいの!!!」


「んぎゃ」


飛びついてくるお母様を落とすまいと必死に支える。

いやん、たくましいのねと照れられた。


「ダーリンとほぼ毎日電話してたの」

「ま、毎日!?!?」


お母様はあたしにもたれかかったまま話し始めた。そしてなにがって…

いい匂いがする。
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