愛は惜しみなく与う【番外編】
「いーちゃんと3年くらい口きいてない時期あったでしょ?あの時ダーリンと電話しても子供についての会話がなかったのよ。なのにね?合田兄弟と揉めたあの日以降、口を開けばあなたの話をしていたのよ」


ぱぱちん…
そんな毎日電話してて、よう病気のこと言わへんかったな。


「病気も言えばいいのにね。あたしの仕事を邪魔したくないから言わなかったんだって」


「お仕事は…どんな事してたんですか?」


敬語いらないのに…と言われたが、なかなかタメ口も難しいところはあるやろ…


「お洋服のデザイナーをしてるの」


ほら、部屋の中見てよ!そう言われて部屋に入ると、そこには洋服がたくさん飾ってあった。


「女の子の洋服専門のデザイナーよ!野郎の服は一切デザインしないの」


ふふ。男の子の服って、そんなに好きじゃないのよねと、お母様は笑った。

なるほどな!着せ替え人形って泉がゆうてたのは、こう言うことか!


「あーちゃんがお嫁に来てくれるから、この部屋にあーちゃん用のお洋服いっぱい作るね」

「ええ?あたしの?」

「そうそう、あたしが作った服を娘に着てもらうのが夢なのよ」


ね?いいでしょ?と可愛い顔を向けられる。ほんとに2人産んで2人とも成人したお母様には見えへん…
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