愛は惜しみなく与う【番外編】
「あたしで良ければ是非。嬉しい」


こんなに素敵な言葉をかけられて嬉しくないわけない。
おしゃれで綺麗なお母様やと思ったら、デザイナーさんか。しかも海外で活躍ってすごいな。
 


「あーちゃんのウェディングドレスをデザインさせて欲しいなぁ」

「ええ!ウェディングドレス?」


驚いて思ったより大きな声が出てしまった。


「やっぱり自分で選びたいわよね」


ごめんなさい。早とちりしたとお母様に謝られる。


「いやいや!そうじゃなくて……」


嫌なんかじゃないよ!
なんかそんなん、素敵すぎひん?なんか驚きで戸惑うねんけど。



「いーちゃんと…結婚するか分からないもんね。女の子を急かしちゃダメね。ついつい嬉しくて」



「あの!結婚はする!あたしは泉と結婚はするって決めてる。まだ学生やし簡単に言えへんし、この先喧嘩するかもしれへんけど、泉と一緒になることは…あたしの中で確定…してるから」


言ってる途中で恥ずかしくなった。
泉のアホみたいにまっすぐな告白の言葉を思い出してしまったから。


「結婚したいね、じゃなくて、結婚するために今のこの時間を大切にしてる。あたしは…そう思ってる。だから、その…ウェディングドレスとか…そんな話素敵すぎてちょっと…」


うるっと来てしまった

わからへんけど、大好きな人の家族に愛してもらえるって…すごく幸せやな。
< 549 / 645 >

この作品をシェア

pagetop