愛は惜しみなく与う【番外編】
一緒に住んでくれるだけで嬉しいのに。同棲できるだけで舞い上がってるのに。

こっちに来なくていいよ。

こっちは…とくに新が行きたいような学部がある大学も少ないはず。



「大学はまぁ、興味あるだけです。どんなことを学べるのかと…少し思うくらいです」


「あたしの方が…特にしたい仕事もないし…あたしが新の行きたい大学の近くに行くよ」


そう思ってた
そうするつもりだったから

あたしだってもう離れてるのは嫌だったから。



「皐月、私を誰だと思ってるんです」


「へ?」



「大学レベルの内容が、私に分からないわけないでしょ」


……ん?



「受験すればどこでも受かります。そしてどの大学に行こうが、私は私の学びたいことをします」

新はあたしのおでこにキスをした


「情報系の大学に行くのもありだと思ってましたが、調べれば調べるほど、すでに取得した知識と技術ばかり。それなら、他の学部に目を向けて、知識の幅を増やそうかと思ってます」


あたしは、凄い人の彼女だったんだ

忘れてたよ


有名なグループの幹部だけど、それ以前に…


天才だった…
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