愛は惜しみなく与う【番外編】
「ありがとう。泉の言葉はあたしのことも強くしてくれる。だいすき」


スッと泉の腰に手を回す

泉が大丈夫って言ってくれたら大丈夫な気がする。
俺たちなら大丈夫、か


嬉しいな


「なに?可愛い。不安になってたの?」

「ちょっとな」

「何でも言って。遠慮はなしだ。そうやって2人で進もうよ」


自然と笑顔になって泉のことを見ると、泉も笑ってた。よかった


「帰ろっか」

「そうだな」


道端でイチャつくカップルになってしまったけど、気にならへんもんやな。
泉は絶対嫌がると思ってたけど。まぁ、あたしも。

2人とも気にもならへん。


ほっこりした気持ちと、モヤモヤしてたのが晴れて、スッキリした。


ありがとうな


「おーおーおー!道端でイチャイチャ羨ましいねぇ」


そこに茶化すような声がして我に帰る。
この声は…


「慧!」

「杏ちゃん、泉、おかえり。お母さんに長く拘束されてたの?」

「あぁ。かなりな。あれと血が繋がってるとは未だに思えない」


響にマヨネーズがないと言われてお遣いに行ってたらしい慧。
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