愛は惜しみなく与う【番外編】
「桜さんも今年就活で忙しそうだから。俺は美容系の専門学校いくよ〜」

「美容系か。慧にぴったりや」

専門学校が多いんか。
手に職をつけるのは大事やもんな。


そんなことを話してると玄関から物音が。

なんや?


俺見てくる。そう言って響は廊下に出た。不審者?なんやろ

ゾロゾロと後に続き廊下を見れば


「朔?どうしたの?」


美波ちゃんとご飯に行ったとされてた朔がそこにいる。いや、帰宅早すぎひん?小学生の門限くらいやん。


「知らない。美波がなんか怒って帰った」

「ええ?なんかしたん?」

「してねーよ。……いや、ちょっと色々言ったけど。怒ることないだろって感じ」


ありゃりゃ。美波ちゃんは朔のことが好きやから、朔が言ったことに対して納得できずに怒ったんやろうけど…

朔やからな

広い心を持って対応せな。

大丈夫かな


「俺の飯もある?」

「うん、あるよ。用意するよ」


てってってと響は走ってキッチンへ。うん、可愛い。なんて可愛いんや。


「だーーー疲れた。女はわかんねーな。杏くらい分かりやすいといいのに」


「あたし分かりやすい?」
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