愛は惜しみなく与う【番外編】
「うん。顔に書いてある」

「なんや馬鹿にされてる気がするなぁ!でも、美波ちゃんも分かりやすいやん」

猛烈アピールタイプの子やん。
見習わなあかんくらいぐいぐいの…


「どこがだよ。前まで抱いてくれだのなんだのぎゃーぎゃー言ってきてたくせに、なんか最近やけに大人しいし、何が目的かわかんねぇ。今まで気にしなかったこと気にするしさ?」


そ、それは…好きになったから朔のこと知りたいんやろ、ちゃんと。

でもこれをあたしが言うのも違うし…


「それって、その女の子、朔のこと好きなんじゃねーの?」


キッチンで朔のご飯を用意してた響が言った。


「美波が?ないない。あいつ好きな奴いるって言ってたし」

「だからそれが朔なんじゃないの?」

「え?」


知らないけど。そう言って、はいどーぞと目の前にチキン南蛮を置く響。
 
そのまま皿洗いをする響は、一連の流れとして、デキル嫁や。


「2年以上も前のセフレだ。なんもねーよ」


いただきます。そう言って食べ出した朔

2年以上も前で、今は何もせずに一緒にご飯に行きたいって言うってことは…って気づかへんのかな。

ま、あたし人のこと言えへんけど!
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