愛は惜しみなく与う【番外編】
「響は大丈夫そうだからさ。まぁ全員俺が拾ったみたいなもんだから。最後まで面倒みるつもりだ」


さすが泉
朔が泉から離れてるのって想像できひんからそれでええと思う。

みんなもう、卒業か


「でも、別に結婚はできるよな」

「ん?」

「俺たち20歳だし。成人済みだし」

「でも、泉は専門学校通うんやろ?」

「そうだよ?」


学生が結婚してるって、珍しすぎひん?なんかイメージわかへんけど。


「奥さんいるって言って専門学校通うのも、悪くねぇな」


泉はうんうんと頷いて何やら想像している様子。
恥ずかしいことを平気で言えてしまう泉。すごいよ。あたしより素直やん。


「あの、イチャイチャしないでもらっていいですか?」

「してないやん!」


これがイチャイチャなん?
普通に泉が妄想してるだけや。


「イチャイチャなら、いっぱいしたもんな?俺しばらく旅行を思い返せば生きていける気がする」


………あほ!!!

言うまでもなくあたしの反射的に出た拳は泉に当たり、ううっと体を曲げて痛がっている。

志木はドン引きの目を向けてくる。


「流石に……彼氏を殴るのは…」

「ちゃう!今のは泉が悪い!」
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