愛は惜しみなく与う【番外編】
家族団欒


「お姉ちゃん!!」


そう言って東堂家の敷地に入ろうとしたときに、鈴が飛びついてきた。

うん、あたしやから受け止めてあげれるけど、普通の人やったら転ぶからやめや?


「お姉ちゃん!おかえり!」


こんな日が来るとはな。
この家に来て、おかえりって言われるなんて、未だにあたしはソワソワした気持ちになってしまう。


「てゆうか、ちょっと太った?」


抱っこしてあげてる状態で、鈴の身体を触ると、前よりもふかふかしてる気がする。

お姉ちゃんのバカ!と言いながら鈴があたしから離れてしまった。

あらあら


「ごめんやん。お土産買ってきたし機嫌直して?」

「あたしお菓子で釣れるような年齢じゃないんだけど!」

「でもこれ、お姉ちゃんが作ったケーキやで?新作。3日前から店頭で売ってるねん」


いらんの?
と聞けば、ぐぬぬぬとでも言わんばかりの顔をしてあたしから袋を受け取った。


かわええやん!
素直素直!


「食わねぇなら寄越せ」

「やだ!あたしがティータイムにお母様と食べるもん!」


泉に寄越せと言われて鈴は自分の体の後ろに袋を持っていった。

おーおー。みんな可愛い事この上なし!!
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