愛は惜しみなく与う【番外編】
「プロポーズのまえに、蘭様と鈴を説得しなきゃいけませんね」

「お母様はわかるとして、なんで鈴なん」

「一周回ってお姉ちゃんっ子になってるんでね。泉は泉で、鈴にヤキモチ妬いてますし。先が思いやられます」


そう言う志木やけど、あんたの方がよっぽど面倒くさいで?と思ったが、言えばネチネチ言われるやろうから我慢する。


「あら、私は構わないわよ」
 

そんな御両親に挨拶!みたいな話をしているところにお母様が入ってきた。


「杏の事を大切に思ってくれてる人なら安心じゃない。志木と結婚するかと思ってたけど、振られたみたいだし」


おお…さすがお母様。志木の前でその話できるんお母様くらいやで。

志木の顔見てみ?変な顔なってるやん。


「志木はあたしと結婚してくれるんでしょ?」

そこにややこしくなる鈴が入ってきて志木にまとわりついている。

楽しそうで何よりやな。


「妹は何を言おうが無視できる。お母さんの許可が降りたなら、あとは、雄作さんか」

うん。まだ結婚せんやろ。
高校生やで?まぁ、あたしと泉は20歳の台やけどさ。
泉は気が早いな。


「早くに結婚して早くに子供産みなさい。体力的に疲れるから」
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