愛は惜しみなく与う【番外編】
お母様はあたしを23歳の時に産んでいる。早い方よな。あたしも色々な人から、早く子供産みそうやと言われ続けた。

理由は多分、ヤンキーやしやろ。

でも子供か


「欲しいな、早く」


泉とあたしの子やろ?自分で言うのも何やけど絶対可愛いやん!
でも血の気ありそうやな…


「早く欲しいなら作る?今からでもいいよ」


ニコニコ笑う泉の脚を椅子の下で踏む。
泉は痛みに悶えて、黙って脚を押さえている。今のは泉が悪い。

よう彼女の母親の前で言えるな!


今更気にする事ないだろと言われたけど。

まぁまぁ
気持ちはわかるよ。


この家はいろいろあり過ぎた。
今の泉の発言なんて軽く流せるくらい、もっと色々やばい事があった。

せやしまぁ、ええねんけど。


「いいなーお姉ちゃん。あたしも彼氏欲しい」

「あんたは見る目なさそうやし当分恋愛禁止や」

「うそ!お姉ちゃんまで志木みたいなこと言うの!?」


うわーんなんて言っている。
お母様も苦笑い。

半年でこれだけ話せるようになるなんて夢にも思ってなかったな。
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