愛は惜しみなく与う【番外編】
志木がケーキを取ってくるといい部屋を出た。

今日はお土産として、あたしが考えてマドリカで売られているケーキを持ってきた。

お母様も鈴もあたしが料理が得意なんて知りもせんやろな。

今日持ってきたのは、最近考えて採用してもらったチーズタルト。かなり美味しくできたと思う。

甘いもの苦手な泉も、割とパクパク食べてくれた。まぁ泉はあたしが作ったから食べてるだけやろうけど。


志木はお洒落なお皿にケーキを盛りつけて戻ってきた。ちゃんとお菓子も添えて。


食卓にお母様と鈴と志木と泉とあたし。

うん。なんかほんまおもろい。

それであたしの作ったケーキを食べてる。


「どこかで料理は習ったの?」

「基本みのりさんに教わったものとか、まぁ作るの楽しかったしそこからは色々自分で覚えたかな」

「スイーツも自分で勉強したの?」

「甘いもん好き…なんで」


敬語とタメ口が混ざる。お母様と話すのは難しい。

おいしいと言いながら食べてくれるから安心した。鈴はおまけのお菓子までパクパク食べている。
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