愛は惜しみなく与う【番外編】
杏は力が強いんだから、本気で押さえつけると手首とか痛いでしょ?とあたしの手首を心配してくれてるけど、離す気はなさそう。


「何で押し倒すの!」

「入る隙間はないって教えてあげようかと」

「誰によ!」

「杏に?」

「あたしに教えてどないすんねん!」


わちゃわちゃガヤガヤしていると、ノックの音が。2人して飛び跳ねて、部屋の真ん中に立つ。


「杏、少しいいかし………貴方達、なんでそんな部屋の真ん中に突っ立ってるの?」


そろりと部屋に入って方お母様。不自然なあたし達を見て眉を顰めた。

ちゃう!いや、ちゃうくないけど!


「あら、お邪魔だった?」

「全然!何かあった?」

お母様に敬語使うなと言われてるから、必死に普通に話しる。お母様にタメ口は、なんか寿命縮まる。 


「いや、何か話したいから来たんでしょ?先に話そうかと思って。泉くんも居た方がいいんでしょ?それに鈴の前だとね、あの子色々反応するから」


なるほど。
それは有難いかも。
泉をチラリと見れば頷いてソファに座る。

3人で話そうと言ってくれた。


ギャップどうにかして、テンションの!
変な汗かいたわ。
隣の泉は涼しい顔してる。むかつく!
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