愛は惜しみなく与う【番外編】
いや、そんな大事な話をあたしが受けていいの?
もっと下っ端じゃないけど、雑用しながら学んでいこうと思っててんけど。


「貴方が東堂で学びたいと思ってくれるのはすごく嬉しい。仕事は頑張ってきた甲斐があるなと思ったわよ。だけどそうね。貴方は特別扱いされるのは嫌いでしょ?だから、普通に入社って形で雇う。そうすれば、東堂の娘だからとか言われない。

これをコネだと思うかは貴方次第。ちなみに仕事はきついから、コネでも入りたくない人が殆どよ。それでも…やりたいなら、今年の秋までに私に言って」


一から会社を作っていく。そこに携われるの?


「やる!」

関東支店どこか分からへんけど…
少しでも泉と離れなくて済むなら。それに、そんな凄い場所で働けるなら…悩む事はない。


「ふふ。わかった。今ね、会社は建築中なの。秋にはすべての施設も整って出来上がる。秋から研修をやるから、また詳細は連絡するわね」


話せてよかった。
ちなみに会社は、あなたの住む隣町にあるからね。そう言って仕事に戻るとお母様は部屋から出て行った。
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