愛は惜しみなく与う【番外編】
お家探し
平和にすぎていく日々。

喧嘩はもちろん何回かあったけど、シフト制みたいな感じで出れる人が出てた。
不良といえど、先のこともちゃんと考えてるみんなが好きや。

1人心配例えば朔の卒業くらいやろうか。泉が最近ピリピリしてるのは朔の卒業が危ういから。

やれやれ
ほんま困った子やで。


まともに、通ってへんけど、北蓮見にも愛着が湧いたな。アホみたいな文化祭も2年連続したし、たくさんの思い出が詰まってる。


「杏?どうかした?」

「いや、なんか色々あったなって思ってさ」


どの日のことを思い返してもみんながいるから。こうやって幸せに過去を振り返れるのも、期待して未来を語れるのも、みんなのおかげや。


「あたし、北蓮見に来れて良かった」


泉にも出会えたしな。
隣で小さく笑い、教室だと言うのにいつもと変わらずおでこにキスをされた。

みんな見慣れてきたのか、何一つ言わずにいつもの光景に溶け込んでいる。あたしはまだ慣れてないからやめて欲しいけどな!?


隣で満足そうに笑う泉の顔を見たら何も言えへんけどさ?


卒業が近づいてくる。
ちなみにあたしは高校の卒業式2回目や。まともな式はないらしい。北蓮見らしいよな。


「そういえば」

「ん?」


「志木がお見合いするって話聞いた?」

みんなの顔を思い浮かべていたら志木の顔が出てきて、最近あった面白い話を泉にしたのかしてないのか覚えてない。


「は?お見合い!?」
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