愛は惜しみなく与う【番外編】
「女の方は連れて行け!男はこの場でやれ!」


と物騒なことが聞こえるけど、ハイハイって思うだけ。あたしはな?

泉はちゃうけど


追いかけてくる男の方へ歩いていく。やれやれ


「杏を連れて行く?どこに?なにするために?お前ら殺すよ」

こうなるからさ?ほんまみんな泉を煽ることを言わないでほしい。

泉は構わず1人の男の腕を捻り上げている。側から見たら学生が社会人に絡んでるように見える。

あたしはボーッと泉が落ち着くまで見ていた。ここで気にせんといて!とか言うと、もっと気にしろとか説教されるから放っておくのが1番!!!

 
「杏、いこっか」


満足したのかスッキリしたのか、笑顔の泉があたしの隣に来てスッと手を握ってきた。これをギャップと呼ぶなら、かなりのギャップや。

バカみたいな奴らがいまだに仕掛けてくる。あたしがまだまだなんかもしれんけど、やはり女やとナメられる。

ええけどさ?


「なーんか、最近泉とずっと一緒やから喧嘩する時なくてつまらん」


ここで待っててって言われて、サクッと殴ってあたしの元に戻ってくる泉。あたしの出る幕はない。

隣の泉は、つ、つまらん?と驚いた顔をしている。


「喧嘩したいの?」

「うーーん。ストレス発散できひんやん?」

「ストレスたまってるの?」


どんどんしょんぼりした顔になる。
ちゃうちゃう!!
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