愛は惜しみなく与う【番外編】
「泉と一緒にいるのがストレスじゃないよ?なんかこう…身体を動かしてなくて…むずむずするというかさ?」


平和やし、喧嘩なるときも、泉が倒しちゃうし……あたしボケーっとしてるだけ。

なんかええ方法はないやろか? 
と頭を巡らせる。
今警察沙汰とかなると、進路が危ういから事件系は嫌やけど喧嘩くらいしたい。


「身体を動かしたいの?」

「そう!」

「俺と運動する?」

「ええで?あたしなんでも得意やで」

腕枕をしてガッツポーズをしたけど、泉が言ってることとあたしが思ってることは少し違ったみたいや。


「じゃあ、今日お泊まりする?」


とコテンと首を傾けて可愛くそう尋ねてくる泉。
お、と、ま、り???

察しが悪かったあたしも、さすがに分かるようになった。


正直あの旅行以来泉と2人でっていう機会がない。からあの日以来そう言うことはしてない。

桜さんは慧と同棲してるけど、ほぼ毎日してるとかゆうてた。新と皐月ちゃんも会えばすると。

あたしは?

泉の顔を見れば、冗談で言った感じでもあたしをすこし揶揄おうとした感じでもない。

ふむ


「ほな、お泊まりしよか」


大きい声で言うのは恥ずかしいから泉のそばで背伸びをして、コソッと小さな声で言った。

不動産屋いく道中やからさ?

そしたら突っ立ってた泉は大きな手で自分の顔を覆い、くそぉと呟いた。

え?

断ってないで???
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