愛は惜しみなく与う【番外編】
「そうです。同棲物件で家賃5万以内にしてくれなど…なかなか無茶なお願いもありますので」

トホホホとお兄さんは疲れた顔をした。
なるほどね。
今のあたしの家の家賃が……ぶっ飛んでるからよくわからへん。

金銭感覚は普通の人と同じくらいやとは思うけど、無くならないことを分かってるからか、少し人とズレてる時もある。

ちなみに泉もな??
お坊ちゃんやから。


「1件目着きました」


車が停まりマンションへ。
ほう…

外観はすごく綺麗。オートロック式やから安心できる。エントランスには自動販売機が3つ。2つは飲み物で、もう1つはお菓子が売っていた。


「お菓子の自動販売機とかあるんや」


見慣れない自販機を横目に部屋まで案内してもらう。


1件目の部屋に入って2人して顔を見合わせる。


「「うーーーーん」」

入った瞬間何かちがうと思った。
なんやろ?

「明るさかな?」

泉はそう言う。
2人ともが気になるところが一緒で助かるわ!優柔不断ではないから、玄関でここはいいやとなった。

2件目もなんだかなーというモヤモヤ物件で、最後の物件に賭けた。


「目が肥えてらっしゃる」

「うーん。そう言うわけじゃないと思うけど、明るい家に住んでたから違和感が…」


なんだか決まらない気がしてきてしまった。他の不動産屋もいかなあかんのかなー
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