愛は惜しみなく与う【番外編】
「志木さんに場所教えないようにさなきゃ」

「それな?絶対すぐ来るからな」

とは言え、最近の志木は仕事が忙しい。それこそ関東支社の準備も、鈴の教育も、お母様がセッティングしたお見合いも。とにかく忙しそう。

無事住む家は決まり、契約にはまだ準備があるから後日になった。

お兄さんに手を振って家路へ。


「志木さんのお見合い相手って誰なの?」

「なんか可愛らしい子やったで?写真鈴に見せてもらったけど」


そういえば鈴はもう志木のことはええんかな?好きやったよな?

泉もそう思ってたのか、妹とくっついたら面白かったのにと呟いた。


「志木ってほんまようわからんからな。あたしのことずっと好きやったらしいけど、絶対裏で遊んでた」

「志木さんが?でもどうかな。経験なさそうにも見えないからな」


彼女とかもできたことないんかな?イケメンやのに勿体ない。でも志木と絡める女の子って、限られてると思うねんな。


「わがままな子が合うと思うけど」

「過労死しない?」

「せんやろ。志木はもう気がつけば世話焼いてるから、ある程度わがままな子の方が生き甲斐を感じると思う」


志木のお見合い相手のことを考えてたら、家に着いた。


「てか、どこ泊まるの?」
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