愛は惜しみなく与う【番外編】
無人じゃない!と呟いたから。

店員に部屋はどれが良いかと聞かれて杏は俺を振り返った。
部屋とか……分からないけど。

空いてる中で、良さそうなのを選び鍵を受け取った。


「おお。なんかあれやな?前みたいな露骨な感じじゃないな!」


コスプレだったり、天井が鏡だったりね。確かに露骨だったけど杏は分かってなかった。
流石にもうわかったと笑っているが。


そんなにいやらしい雰囲気でもないから落ち着く部屋で安心した。
杏は何やらテレビあたりを触ろうとしているが洗面所で手を洗わせることにする。

よくない映像が流れる可能性があるからな。


「泉がしてくれるん?」

「うん。だから先に手を洗っておいで」


素直にりょーかい!と洗面所へ。
その隙にテレビを操作すると、案の定よくない映像が。音を下げてチャンネルを変える。

これで映画終わってもこの映像は出てこないから……
ゴソゴソ触ってセッティング完了。


もう周りに人はいないから杏に触りたい。てことでちゃんと俺も手を洗う。


ベッドに座り映画の予告を眺めてる杏の唇にキスをする。前までならビクッとされて戸惑われたけど、杏はニコリと微笑んだ。
< 636 / 645 >

この作品をシェア

pagetop